2006年 05月 07日
PRIDE無差別級グランプリ2006 開幕戦 感想(上)
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第一試合
ローマン・ゼンツォフ ○-× ギルバート・アイブル
1R 4分55秒 KO
アイブルが最初にマウントを取られた時、早くも試合が終わるかと思ったが、ブリッジで上手く逃げて粘った。だがパウンドへの対処はまだまだ出来ていなかったので、相変わらずグラウンドは苦手なようだ。ゼンツォフがKOを奪った左フックだが、VTRを見ると自分の頭を下げながらアイブルを見ないで打っている。それでも顎に叩き込んでいるところからすると、当て勘が良いと見るべきなのか。ゼンツォフの過去の戦績を見ると、10敗のうち6敗がKO負けとなっているので、ストライカーとしての評価は高く見ていなかったのだが、評価を改めるべきかもしれない。またアイブルがダウンした後に追撃を踏み止まっていたが、ストライカーはレフリーに止められるまで殴り続ける選手が多い中、その冷静さが印象に残った。
第二試合
ファブリシオ・ヴェウドゥム ○-× アリスター・オーフレイム
2R 3分43秒 アームロック
入場してきたオーフレイムの体が、今までよりも明らかにデカイ。従来は厚みに欠ける体格をしており、プロの格闘家としてはやや物足りない感じが有ったのだが、今回は完全にヘビー級の体になっている。これは向かい合えば相当の圧力が有るだろうと思ったが、やはり1Rはオーフレイムが押し気味。2Rで懸念されていた通り失速して負けてしまったが、ミドル級にいた頃よりも改善されるかと思っていたスタミナは、やはり途中で切れてしまった。一方、勝ったヴェウドゥムも2Rに入ってからはスタミナ切れの様子を見せており、1Rにオーフレイムの圧力に晒されたのが効いているのではないかと思う。だが途中で休んでしまったオーフレイムに対し、苦しい中でも勝機を逃さずに攻め込んだヴェウドゥム。このポイントが、この試合での両選手の一番の差ではないかと思う。
第三試合
マーク・ハント ○-× 髙阪 剛
2R 4分15秒 KO
入場時の高阪の表情から、尋常ではない気合と決意が感じ取れた。引退をかけて臨んだこの日の試合は、高阪が凄まじい執念を見せながら攻め込む、この日で一番白熱した試合となった。高阪と正面からぶつかり合ってその力と持ち味を発揮させたハントだが、結果的に見てみれば、これが対戦相手としては最良の選択だったのかもしれない。相手と正面から勝負を受けて立つハントであるからこそ、これだけの素晴らしい試合になったのだと思う。ハントの戦いに臨む姿勢は、前回の西島戦に続き名勝負を生み出すのに相応しいのではないか。高阪は試合後のインタビューで「悔しいですか」と聞かれ、こう答えた。「悔しいです。負けて悔しくないやつはいないですよ」 こうした気持ちがある限りリングで戦い続けることは出来ると思うし、この日の試合を見れば引退するのが勿体無いと思う。だが引退する時期を見誤り、力が衰え切った無残な姿を晒す選手が多い中で、高阪の引き際はこれ以上無いほど素晴らしいものであったと、私はここで断言する。
第四試合
ジョシュ・バーネット ○-× エメリヤーエンコ・アレキサンダー
2R 1分57秒 V1アームロック
バーネットは組み付いてグラウンドに持って行きたいようだったが、アレキサンダーがなかなかそれを許さなかった。アレキサンダーは懐が深いので腰を引かれてしまうと、正面から組み付いた体勢からテイクダウンは厳しい。足を取って下から崩すと、もっと簡単にテイクダウンできるはず。1R終了まで行った時点で、バーネットの勝利は確実になっていたが、やはりアレキサンダーが課題としていたスタミナが勝負を決めた。ラウンド間のインターバルに入ると同時に、ロープに力無く寄り掛かるアレキサンダーの姿を見て、勝負の行く末を悟った方は多いと思う。だが既に1R4分頃から、アレキサンダーは疲労の兆候を見せていたため、勝負が付くのは時間の問題だったとも言える。対戦相手であるバーネットは、かつてセーム・シュルトのレンガパンチを山ほど浴びながらも一本勝ちを収めたタフさの持ち主で、長期戦を避けたいアレキサンダーにとっては相手が悪かったか。スタミナ切れを起こしてからは実にあっさりと終わってしまったが、それまでは巨体に似合わぬキレのある動きを見せており、スタミナ面での改善が行われれば素晴らしい選手になるに違いない。勝利したバーネットもヘビー級とは思えない動きを見せ、次回以降がとても楽しみだ。
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ローマン・ゼンツォフ ○-× ギルバート・アイブル
1R 4分55秒 KO
アイブルが最初にマウントを取られた時、早くも試合が終わるかと思ったが、ブリッジで上手く逃げて粘った。だがパウンドへの対処はまだまだ出来ていなかったので、相変わらずグラウンドは苦手なようだ。ゼンツォフがKOを奪った左フックだが、VTRを見ると自分の頭を下げながらアイブルを見ないで打っている。それでも顎に叩き込んでいるところからすると、当て勘が良いと見るべきなのか。ゼンツォフの過去の戦績を見ると、10敗のうち6敗がKO負けとなっているので、ストライカーとしての評価は高く見ていなかったのだが、評価を改めるべきかもしれない。またアイブルがダウンした後に追撃を踏み止まっていたが、ストライカーはレフリーに止められるまで殴り続ける選手が多い中、その冷静さが印象に残った。
第二試合
ファブリシオ・ヴェウドゥム ○-× アリスター・オーフレイム
2R 3分43秒 アームロック
入場してきたオーフレイムの体が、今までよりも明らかにデカイ。従来は厚みに欠ける体格をしており、プロの格闘家としてはやや物足りない感じが有ったのだが、今回は完全にヘビー級の体になっている。これは向かい合えば相当の圧力が有るだろうと思ったが、やはり1Rはオーフレイムが押し気味。2Rで懸念されていた通り失速して負けてしまったが、ミドル級にいた頃よりも改善されるかと思っていたスタミナは、やはり途中で切れてしまった。一方、勝ったヴェウドゥムも2Rに入ってからはスタミナ切れの様子を見せており、1Rにオーフレイムの圧力に晒されたのが効いているのではないかと思う。だが途中で休んでしまったオーフレイムに対し、苦しい中でも勝機を逃さずに攻め込んだヴェウドゥム。このポイントが、この試合での両選手の一番の差ではないかと思う。
第三試合
マーク・ハント ○-× 髙阪 剛
2R 4分15秒 KO
入場時の高阪の表情から、尋常ではない気合と決意が感じ取れた。引退をかけて臨んだこの日の試合は、高阪が凄まじい執念を見せながら攻め込む、この日で一番白熱した試合となった。高阪と正面からぶつかり合ってその力と持ち味を発揮させたハントだが、結果的に見てみれば、これが対戦相手としては最良の選択だったのかもしれない。相手と正面から勝負を受けて立つハントであるからこそ、これだけの素晴らしい試合になったのだと思う。ハントの戦いに臨む姿勢は、前回の西島戦に続き名勝負を生み出すのに相応しいのではないか。高阪は試合後のインタビューで「悔しいですか」と聞かれ、こう答えた。「悔しいです。負けて悔しくないやつはいないですよ」
第四試合
ジョシュ・バーネット ○-× エメリヤーエンコ・アレキサンダー
2R 1分57秒 V1アームロック
バーネットは組み付いてグラウンドに持って行きたいようだったが、アレキサンダーがなかなかそれを許さなかった。アレキサンダーは懐が深いので腰を引かれてしまうと、正面から組み付いた体勢からテイクダウンは厳しい。足を取って下から崩すと、もっと簡単にテイクダウンできるはず。1R終了まで行った時点で、バーネットの勝利は確実になっていたが、やはりアレキサンダーが課題としていたスタミナが勝負を決めた。ラウンド間のインターバルに入ると同時に、ロープに力無く寄り掛かるアレキサンダーの姿を見て、勝負の行く末を悟った方は多いと思う。だが既に1R4分頃から、アレキサンダーは疲労の兆候を見せていたため、勝負が付くのは時間の問題だったとも言える。対戦相手であるバーネットは、かつてセーム・シュルトのレンガパンチを山ほど浴びながらも一本勝ちを収めたタフさの持ち主で、長期戦を避けたいアレキサンダーにとっては相手が悪かったか。スタミナ切れを起こしてからは実にあっさりと終わってしまったが、それまでは巨体に似合わぬキレのある動きを見せており、スタミナ面での改善が行われれば素晴らしい選手になるに違いない。勝利したバーネットもヘビー級とは思えない動きを見せ、次回以降がとても楽しみだ。
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by moonemblem
| 2006-05-07 23:53
| PRIDE