2006年 05月 21日
DEEP24より
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6月4日に開催されるPRIDE 武士道-其の十一-だが、今回はPRIDE初参戦の選手が数多く見受けられる。自分も試合を一度も見たことの無い選手が何人かいる。何の情報も無い状態で当日の観戦を楽しみにしても良いのだが、試合を見たことの無い選手の勝敗を予想するのは難しいので、チェックすることにした。そこで友人から、スカパーで放送されたDEEP24の録画を回して貰う。出場しているのは、ジョーイ・ヴィラセニョール選手とゲガール・ムサシ選手の2名。
まずはジョーイ・ヴィラセニョール。アマチュアボクシング戦績16勝無敗15KOを記録しているのでスタンドでの攻防に注目していたのだが、予想に反してパンチの技術はそれほどでもない。大振りなパンチが目立ち、コンビネーションも使わず回転も速くない。またローや後ろ回し蹴りなどの蹴りを使用していたことも予想外。アマチュアボクシングのローカルタイトルを取っていると聞いていたのだが、スタンドでは全然ボクサーらしからぬ戦いを展開している。攻撃の際に気になった点では、顔面のガードが簡単に下がっていたところ。また対戦相手の白井のローキックのカットが全く出来ていないというボクサーにありがちな弱点も持っており、スタンドでの戦いでは穴が有ると言える。目に付いた長所としては、パワーが挙げられる。座りの状態から白井を抱え上げてテイクダウンを奪うシーンがあり、解説の熊久保英幸氏によれば強力なパウンドも有しているらしく、グラウンドで上になって殴るのを得意パターンとしているようだ。残念ながら試合中ではそのパウンドを出すシーンはあまり無く持ち味を発揮できていなかったが、次の対戦相手である長南は腰が強い選手ではないので、トップを取ってから得意のパウンドで攻める場面が見られるかもしれない。アマチュアボクシングのキャリアから受けるイメージとは異なる、パワーを生かした戦いをする選手であると言える。
そして次にゲガール・ムサシ。こちらは分かりやすい典型的なストライカー。スタンドではパンチを主体とし、そこに膝を織り交ぜてくる。手足は長く、伸びてくるストレートは対戦相手にとって厄介ではないかと思われる。ただしスタンドでの試合運びを見ていると、リーチを生かして相手に圧力を掛けて行く姿勢が見られず、簡単に距離が詰まる場面が多い。前に出ながら圧力を掛ける場面は有るのだが、無造作に前に出ているため、相手との距離の取り合いに関してはこの試合を見る限り甘いと言わざるを得ない。せっかく長い足を持っているにも係わらず蹴りを殆ど出しておらず、これらを合わせるとリーチの長さを生かしきれていないと言える。またイノキ・アリ状態になり寝ている相手を攻める際、動きが一瞬止まり逡巡するシーンが見られた。長い腕を使ってパウンドを落とせばかなりの脅威になるのではないかと思われるが、どうやらこの状態から攻撃するのには慣れていない様子。こうしたことから考えると、ムサシはまだ自分の長い手足を生かした戦い方を身に着けていないと思われる。このように荒削りな部分が散見されるが、反応も良さそうで腰も強いので素材としてはかなり期待できるのではないかと思う。最近の国内の試合ではDEEP22ではわずか10秒で勝利し、DEEP24の入江戦でも追い込まれた場面は無いため、まだ選手としての底を見せていない印象を受ける。まだ20歳と若いので、これからの成長に期待できる選手だと言えるだろう。
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まずはジョーイ・ヴィラセニョール。アマチュアボクシング戦績16勝無敗15KOを記録しているのでスタンドでの攻防に注目していたのだが、予想に反してパンチの技術はそれほどでもない。大振りなパンチが目立ち、コンビネーションも使わず回転も速くない。またローや後ろ回し蹴りなどの蹴りを使用していたことも予想外。アマチュアボクシングのローカルタイトルを取っていると聞いていたのだが、スタンドでは全然ボクサーらしからぬ戦いを展開している。攻撃の際に気になった点では、顔面のガードが簡単に下がっていたところ。また対戦相手の白井のローキックのカットが全く出来ていないというボクサーにありがちな弱点も持っており、スタンドでの戦いでは穴が有ると言える。目に付いた長所としては、パワーが挙げられる。座りの状態から白井を抱え上げてテイクダウンを奪うシーンがあり、解説の熊久保英幸氏によれば強力なパウンドも有しているらしく、グラウンドで上になって殴るのを得意パターンとしているようだ。残念ながら試合中ではそのパウンドを出すシーンはあまり無く持ち味を発揮できていなかったが、次の対戦相手である長南は腰が強い選手ではないので、トップを取ってから得意のパウンドで攻める場面が見られるかもしれない。アマチュアボクシングのキャリアから受けるイメージとは異なる、パワーを生かした戦いをする選手であると言える。
そして次にゲガール・ムサシ。こちらは分かりやすい典型的なストライカー。スタンドではパンチを主体とし、そこに膝を織り交ぜてくる。手足は長く、伸びてくるストレートは対戦相手にとって厄介ではないかと思われる。ただしスタンドでの試合運びを見ていると、リーチを生かして相手に圧力を掛けて行く姿勢が見られず、簡単に距離が詰まる場面が多い。前に出ながら圧力を掛ける場面は有るのだが、無造作に前に出ているため、相手との距離の取り合いに関してはこの試合を見る限り甘いと言わざるを得ない。せっかく長い足を持っているにも係わらず蹴りを殆ど出しておらず、これらを合わせるとリーチの長さを生かしきれていないと言える。またイノキ・アリ状態になり寝ている相手を攻める際、動きが一瞬止まり逡巡するシーンが見られた。長い腕を使ってパウンドを落とせばかなりの脅威になるのではないかと思われるが、どうやらこの状態から攻撃するのには慣れていない様子。こうしたことから考えると、ムサシはまだ自分の長い手足を生かした戦い方を身に着けていないと思われる。このように荒削りな部分が散見されるが、反応も良さそうで腰も強いので素材としてはかなり期待できるのではないかと思う。最近の国内の試合ではDEEP22ではわずか10秒で勝利し、DEEP24の入江戦でも追い込まれた場面は無いため、まだ選手としての底を見せていない印象を受ける。まだ20歳と若いので、これからの成長に期待できる選手だと言えるだろう。
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by moonemblem
| 2006-05-21 19:26
| PRIDE